良き素材の自然な味と香り…… ほっこりカフェで至福のひとときを。
ゆったりあたたかな雰囲気
広い通りから少し入ったところにある、イタリアンカフェ。初めて訪れる人は「こんなところに!」と自分だけの隠れ家を見つけたような気分になる。レンガの小道を進み、扉を開くと、心地よい音楽がどこからともなく流れてくる。あたたかな雰囲気も手伝って、すっと自分が店になじむ感じがする。おしゃれなひょうたんのランプ、薪ストーブ、手づくりの器、マスターがおばあちゃんからもらったミシン、音楽。店内にはマスターのお気に入りばかり。「店づくりにこだわりはありません。ただ大切にしていることは、心が休まるものを選んで、ゆっくり過ごせるような空間にすることです」とマスターの中出さん。店全体をつつむ優しい雰囲気は、いつも自然体でいるマスターの、ありのままがにじみ出ているよう。
そんなマスターだから、素材が持っている本来の味を最大限に引き出せるよう調理している、という話にも納得。できるだけ自然な食材をお客さんに食べてもらおうと、小松は西俣にある契約農家で栽培された有機野菜を使用しているとのこと。有機野菜は、野菜をまるごと無駄なく使用でき、生で皮ごと食べられるところが良いのだそう。野菜の自然な美味しさがぎゅっと詰まっているので、味だけでなく香りも甘い。そして、よけいな味がしない。素材本来の味を楽しむことができるのである。そんなわけで、料理はいきいきとして彩りも豊か。おすすめメニューは季節や日によって変わるので、大きな黒板をチェックしよう。
マスターは、料理する上で常に気をつけていることがあるという。
1、素材を尊重する(素材を使うというより、使わせてもらっている)
2、火入れのやり方を追求していく
3、素材とお客さんの差を少なくする(食べにくい=差がある、∴食べやすく調理する)
の3要素だ。「まだまだわからないことや、できていないこともある。自分にできることは少ないが、この3つの姿勢は崩さずにいきたい。そうすれば、素材の味を最大限に引き出すことができる」という。
美大出身のマスターは、五感すべてを使う「料理」という“ものづくり”に興味を持ち、アーティストやデザイナーの道でなく、食の道へ。料理は生態系や食物連鎖の仕組みなど、自然界の仕組みがわかるような気がしたのだという。ありのままの食材をお客さんに食べてもらえるよう、食材と客の架け橋になるようにと店を開いた。店名のcocoon(コクーン)は、「繭(まゆ)、居心地のいい家、ねぐら」という意味や、音・スペルが気に入り決めたそう。お店には、毎日違う人が来る。そうすると雰囲気も変わる。そんな“今日の風景”を見るのが楽しみなのだとか。お客さんが入ってきて初めて完成する空間が“cocoon”なのだそう。
「来てくれる人に休んでもらって、ごはんがおいしかったとか、ゆっくりできたとか、なにか少しでも良い変化があってほしい。そして気持ちもおなかもいっぱいになって帰ってもらえるといいな。空腹はもちろん、空腹以外のところを満すのが、“豊かな食事”じゃないかな」とマスター。
お店にあるもの一つ一つがあたたかく、どこか懐かしい雰囲気。ここでは自然な自分でいられる気がする。良い食材と、居心地の良い空間に包まれてリラックスできる。ただ、居心地が良すぎて、眠ってしまわないように。
アクセス
基本情報
住所
〒923-0865 石川県小松市福乃宮町2-86
TEL:0761-22-9009 FAX:0761-22-9009
URL:
https://www.facebook.com/italiancafe2007.cocoon
■席数
カウンター:6席
テーブル席数:18席
■営業時間
月~土: 11時30分~22時00分
日: 11時30分~21時00分
休日:木曜、第3水曜日